システムギ株式会社が実施する「プリント基板ダイレクト」で提供する試作基板、量産基板(片面基板、両面基板、4層基板、6層基板)は、以下の規定に基づいて製造されています。
この基準書は「プリント基板ダイレクト」で製造する試作基板、量産基板(片面基板、両面基板、4層基板、6層基板)について規定する。
2-1. 材質
1)紙フェノール樹脂銅張積層板(FR-1:紙フェノール)
2)ガラス布・ガラス不織布基材エポキシ樹脂銅張積層板(CEM-3:コンポジット)
3)ガラス布基材エポキシ樹脂銅張積層板(FR-4:ガラス)
片面基板 | 両面基板、4層基板、6層基板 |
FR-1 FR-4 CEM-3 |
FR-4 CEM-3 ハロゲンフリー(量産時) |
2-2. 板厚
片面基板 | 両面基板、4層基板、6層基板 |
標準:1.6 特注:0.8、1.0、1.2 | 標準:1.6 特注:0.8、1.0、1.2 |
2-3. 銅箔厚み
片面基板 | 両面基板、4層基板、6層基板 |
標準:35μm、特注:70μm | 外層標準:18μm、特注:35μm、70μm 内層標準(多層):35μm、特注:70μm |
3-1. 穴径
最小穴径 C = 0.25mm±0.07mm
3-2. 穴ピッチ公差
B ± 0.07mm
3-3. 最小穴相互間距離
A = 1mm
(図1 参照)
3-4. 長穴・角穴
最小幅 = 0.8mm
図1
4-1. ランドの欠損
ランド欠損についてはランド面積の25%以下もしくは、ランド径の幅1/4以下で深さ0.2mm以下かつ穴間の銅箔残り0.2mm以上とする。
(図2 参照)
L =< R/4、W1 =< 0.2mm、W2 >= 0.2mm
4-2. パッドの欠損
パッドの欠損に関しては(図3)における、W = 0.05mm以下とする。
4-3. ランド・パッドの突起
W | ランド・パッドの外形の25%以内 |
L | ランド・パッドの外形の50%以内 |
図2
図3
図4
5-1. パターン幅
パターン幅のエッチング公差は±15μmとする。
5-2. パターンの欠損
パターン内の欠損は、1つの回路パターンに1ヶ所以内、基板全体で5ヶ所以内、及び100×100mmの範囲内に1ヶ所のこと。
ランド、パッド上にはなきこと。
図5
欠損 | W | L |
パターン幅1mm未満 | パターン幅の30%未満 | パターン幅以下 |
パターン幅1mm以上 | 0.3mm以下 | パターン幅以下 |
5-3. パターンの残銅
図6
残銅 | W | L |
パターン沿面1mm未満 | パターン沿面の20%未満 | パターン沿面以下 |
パターン沿面1mm以上 | 0.2mm以下 | パターン沿面以下 |
5-4. パターンの突起
パターンの突起は以下のとおりとする。ただしminパターン沿面は確保すること。
突起 | W |
単発の場合 | パターン幅の30%以下 |
小刻みに突起がある場合 | パターン幅の15%以下 |
図7
6-1. レジストの形成方法
原則として片面基板はシルク印刷法、両面基板は写真法とする。
6-2. レジスト厚み
レジスト厚みは、20μm 〜 40μmとする。
6-3 ランド・パッドに対するレジスト
ランド・パッドに対する印刷レジストはmin0.1mmプラスとする。
6-4. ランド・パッドに対するレジストのニジミ
レジストニジミ =< 0.1mm
6-5 レジストのカスレ
レジストのカスレはパターン上ではなきこと。
但し、パターン側面については許容できるものとする。(図8 参照)
この場合でも自動ディップ時に半田が付着しないこと。
図8
6-6. レジストのハガレ
レジストのハガレのmin値については以下のとおりとする。
パターン上 | パターン上以外 | |
W | 0.3mm | 0.5mm |
L | 4.0mm | 5.0mm |
単位面積100×100内に2個以内 但し半田ブリッジの可能性無きこと |
単位面積100×100内に6個以下 |
6-7. レジストのムラ
レジストの淡い部分:半田付けに際してレジストの機能を果たすこと。
レジストの濃い部分:インクの暑さによりチップ部品装着などに影響を与えないこと。
6-8. レジストと穴の距離
穴にレジストがかぶらないこと。
7-1. シンボルの形成
シンボルの形成方法はスクリーン印刷法を用いる。
7-2. シンボル厚み
シンボル厚みは5 〜 10μmとする。
7-3. シンボル幅
シンボル幅はmin0.2mmとする。
7-4. シンボルとランド・パッドとの間隔
シンボルが半田付けのランド・パッドの上に乗らないこと。(設計値はmin0.2mm)
7-5. シンボルのニジミ・カスレ・カケ
シンボルのニジミ・カスレ・カケに関しては、文字・マークが判別可能であること。
7-6. シンボル色
白・黒・黄を標準とする。
7-7. シンボルと穴の距離
シンボルが穴にかぶらないこと。(設計値はmin0.4mm)
8-1. ミシン目の幅
ミシン目の幅は材質ごとに以下のとおりとする。
材質 | 金型加工 | NC加工 |
紙フェノール(FR-1) | Min1.0mm | Min0.8mm |
エポキシコンポジット(CEM-3) | Min1.2mm | Min0.8mm |
ガラスエポキシ(FR-4) | Min1.5mm | Min0.8mm |
8-2. スリット長さ
金型加工の場合:長さ5mm以上30mm以下とする
NC加工の場合:規定はなし
図9
9-1. Vカットの加工刃
Vカット用の加工刃は幅0.6mm、先端角度35°〜 40°のダイヤモンド刃を使用する。
図10
9-2. Vカット加工の残り幅
図11
材質 | 0.8t | 1.0t | 1.2t | 1.6t | |
紙フェノール(FR-1) | 深さ | 0.2mm | 0.25mm | 0.3mm | 0.4mm |
残り幅 | 0.4mm | 0.5mm | 0.6mm | 0.8mm | |
コンポジット(CEM-3) | 深さ | 0.15mm | 0.2mm | 0.25mm | 0.4mm |
残り幅 | 0.5mm | 0.6mm | 0.7mm | 0.8mm | |
ガラスエポキシ(FR-4) | 深さ | 0.25mm | 0.3mm | 0.4mm | 0.6mm |
残り幅 | 0.3mm | 0.4mm | 0.4mm | 0.4mm |
9-3. Vカットの寸法公差
図12
基材 | ガラス材 |
加工刃 | ダイヤモンド刃 |
溝深さ:±a | ±0.1 |
残り幅:±b | ±0.2 |
溝幅:±c | ±0.06 |
ピッチ:±d | ±0.2 |
上下のズレ:±e | ±0.2 |
外形からのズレ | ±0.2 |
※上表の残り幅及び上下のズレの公差を規定値とし、他の値は参考値とする。
基板のそりに関しては長手方向に対して1.5%を限度とする。
穴位置、パターン、シンボル、レジストの各版相互のズレはmax±0.2mmとする。
標準は共晶レベラーとする。
他の表面処理としては、
・鉛フリー半田レベラー
・無電解金メッキ
・電解金メッキ
・プリフラックス(水溶性)
とする。
本基準書は、2009年12月14日から有効となるものとします。
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